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光ファイバー加入者の伸び悩みの背景
光ファイバー加入者の伸びが急減速 総務省調査

 光回線契約全体のうちNTT東日本と西日本で約71%のシェアを占める。NTTは光回線の新規加入ペース鈍化を受け、平成22年度中に3000万件を目指していた契約数目標を、昨年11月に2000万件へ下方修正した。ただ、現在の成長ペースなら、通信業界全体で22年末にかろうじて2000万を超えるとみれれている。NTT単独では困難な情勢だ。

 光回線の加入者数が伸び悩む背景には、各社の月額利用料金が5000円程度と高止まりしていることや、一般利用者に魅力的なサービスが乏しいことなどが指摘されている。

光ファイバー加入者が伸び悩んでいるのは、やはりADSLから光ファイバー(FTTH)に切り替えることによる「恩恵」がないからです。つまり、上の記事でも触れられているようにFTTHを魅力的だと思う人々が少ない、ということです。

そもそも、普通にインターネットを利用するならば、ADSLの速度で全く問題ありません。Youtubeやニコニコ動画だって快適に見れます。

では、どういうときにFTTHが必要とされるのでしょうか。それはハイビジョン動画配信です。ADSLでも視聴は可能ですが、ブロックノイズ無しの、それなりのクオリティのハイビジョン動画を見るなら、FTTHの速度が必要になります。

しかし、ブロックノイズが無いそれなりのハイビジョン動画は、インターネット上には全くと言っていいほどありません。なぜなら、そういう動画コンテンツを一番抱えているテレビ局が、ネット上にハイビジョン動画を配信しようとしないからです。国営放送であるNHKですら、「かぐや」のハイビジョン動画をネット上に配信しようとはしませんでした。

つまり、FTTHの最大の持ち味である、ハイビジョン動画のコンテンツが満足にありません。ということは、FTTHは現状ではオーバースペックなんです。だから、加入者が増えないのは当たり前なんです。

で、ここまでは一般的に言えることですが、個人的に理由として是非加えておきたいのは、NTTによる強引ともいえる勧誘大作戦に、消費者に嫌気がさしたのではないか、という点です。

皆さんも経験がおありの方が多いと思うんですが、何度もかかってくるフレッツ光の勧誘電話は本当に迷惑です。お断りしますと言っても何度も何度もかかってきます。業者Aの次は、業者B、業者Cと次々と電話やダイレクトメールが舞い込んできます。

そんな彼ら業者がくれた名刺には、「NTT西日本」とでかでかと書かれていました。しかし、その隅に小さく本当の会社の名前が書いてありました。

NTTは系列代理店に委託して勧誘をやらせているわけですが、ただ聞いたことも見たこともない会社が勧誘しても人々に不審がられるので、ブランド力と知名度と安心感がある「NTT西日本」という名前を業者に貸しているわけですよ。で、業者は当然それを前面に出すわけです。業者は、一契約あたり相当の報酬がもらえるわけですから、必死に勧誘するわけです。

勧誘は自宅だけではありません。家電量販店に行くと、「いま無料で景品をお配りしております!」なんてチラシを渡されます。もしそのチラシを持って、景品を受け取りに行くと、待っているのは、やはりフレッツ光の勧誘なのです。

NTTが次世代ネットワークの覇権を手中に収めようと必死になっているのはわかります。彼らも仕事ですからね。しかしながら、あの手、この手の、フレッツ光の勧誘は、やっぱり酷いとしか言いようがないのです。こうした勧誘にウンザリした人々は相当の数に上るのではないか、と私は密かに思っています。

P.S. 皮肉なことに「かぐや」のハイビジョン動画は海外の人は見ることが出来ます。しかし、現状では日本ではSD画質でしかネット上で見ることができません。どう考えてもおかしな話です。
by stonelabo | 2008-05-02 00:12 | ニュース


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